小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2007.07.01
彩都メディア図書館
前回のブログの日付を見てびっくり。
最長に空いてしまいました。
確かに忙しく、締め切りに追われ、遅れている仕事に追いつけず、走り続けておりました。
と言いつつ、この間、ドイツのカッセルで「ドキュメンタ」、ミュンスターの彫刻プロジェクト、ベネチアビエンナーレと回ってきました。
今回は「さ」ですが、彩都メディア図書館主催のツアーに参加させて頂きました。
館長の畑さんをはじめ、学芸員や美術評論家、アーティストの方々等とご一緒でき、とても有意義な視察となりました。
ドキュメンタは5年に一度、ミュンスターは10年に一度、ベネチアは2年に一度の開催ですから、無理をしても行くだけの価値はありました。
3つのプロジェクトを通しての感想は、全体的にインパクトに欠けると言うか、新しい感覚を呼び起こすような作品は少なかったように思います。
ただ、スケジュール的に十分とはいえない時間の中で、エリア的にも広範囲に及ぶ多数の作品と向き合わなければならないわけです。こちらの体力、精神的なエネルギーという意味において、全ての作品に対し、万全の鑑賞体勢で臨めたかというとかなりあやしいわけですから、その辺は差し引いて考えるべきかもしれません。
印象に残ったのは、ベネチアビエンナーレ、ロシア館ですね。
中でも「AES+F」の作品は、思わず見入ってしまいました。実写とアニメーションを組み合わせたビデオ作品ですが、イメージ、音楽など、素材のコンプレックス具合に絶妙な感性を汲み取る事が出来ました。
小原啓渡