小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.01.26
リスク
「り」、「リスク」で。
「リスク」って、基本的には「事物が潜在的に持っている危険性」のことだと思いますが、「リスクを持つ」というような使い方の場合は「責任」という言葉に置き換えることもできます。
「リスクマネージメントをする」ということは、最悪の場合を想定してその対策を考えておく、というような意味ですね。
リスクは、「危機」とか「損失」とかに関連しているので、何かと「悪者」扱いされる場合が多い気がしますが、僕にとっては「力強い味方」です。
「責任」を持てることにやりがいを感じますし、ある時点で「良い」と思えることも「悪い」と思えることも、客観的にみれば一つの「事象」「現象」でしかありません。
起こった事象をどう感じ、どう捉えるかは完全に主観的な問題だと思っています。
そういう意味では、「最良の事態」も僕にとっては、「リスク」かもしれません。
往々にして、最高の状態ほど危機を内包しているともいえますから・・・・。
また、リスクは、「リターン」と一対になって語られることが多いですね。
「ローリスク、ローリターン」といった具合です。
リターンとは、リスクに対する報酬ですから、例えば、ルーレットなどの賭けを考えれば明白ですが、数の論理からいうと、高いリターンには高いリスクが必要ということになります。
また、社会現象、例えばトレンドといったものにも、統計学的な数の論理を応用した「分析」が用いられています。
しかし、現代社会は急激な情報化に伴って、より不確実な性質を増しているということも事実です。
つまり、過去の数値を分析することによって未来を予測することが、非常に困難な時代に入ってきているということですね。
何が言いたいかというと、数的なリターンを考えてリスクをとる、という考え方は現代にそぐわないのではないか、ということです。
それでは、何を考えてリスクをとるのか?
僕の場合は、「数字では表せない価値」ですね。
この価値は「社会的貢献の度合いに裏打ちされる」とでも言えば優等生なのでしようが、残念ながら僕の場合の価値基準は、「自分」です。
自分がやりたいと思うか?
自分の価値観においてやるべきだと思うか?
リスクは実現を後押ししてくれる大きなエネルギーに成り得ますので
その思いが強ければ、高いリスクも歓迎します。
もちろん、そうすることが最も高いリターンにつながると信じているところもありますが・・・・。
小原啓渡