小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.03.09
優しさ
「や」、「優しさ」で。
「どんな男性(女性)が好きですか?」という問いに対する答えで多いのが、「優しい人」
でも、「優しいって、どういうこと?」と聞いて、即答できる人は少ない気がします。
僕自身も、これが優しさだと言い切ることは出来ませんが、少なくとも、一般的に使われている「ソフト」な感じや「甘い」感じの優しさには、共感しづらい。
というのも、僕の場合、子供を育ててきた過程で、
一般的にいわれる「優しい親」を演じる方が、「厳しい親」でいるよりずっと容易だったからです。
可愛い子供達から、例えば何かが欲しいとにねだられて、
「ダメ!」と言うのは、本当に難しい。
「我慢すること、モノを大切にすることを教えなきゃ」とか色々考えても、
「好かれたい」「やさしいパパだと思われたい」という気持ちの方が先行して、ついつい甘くなってしまいます。
また、「優しさ」とは、「思いやりがあることだ」とも言えると思いますが、
この「思いやり」ということも含めて、大きく2種類あるんじゃないかと思っています。
つまり、
「相手を強くする、優しさ」と
「相手を弱くする、優しさ」
言葉を変えるなら、
相手が一人の人間として強くなり、自立していくことを助ける優しさと、
相手をますます弱くしてしまう一時的な優しさ。
端的にいえば、「甘さ」と「厳しさ」ってことなんだろうと思うのですが、
やはり「厳しさ」のない「優しさ」には、どこかフェイクな香りが漂っているような気がします。
時には、「冷たい」と思われようが、嫌われようが、
厳しい態度を取ることも大切なんでしょうね。
究極のところは、
「愛」に基づいた行為に「優しさ」が存在するのだと思いますが、
(愛に関しては、おそらくこのブログでは書き切れない)
とにかく、
その時心地いいだけの優しさより、
後からじんわり効いてくる優しさをもった大人がいいなと思っています。
小原啓渡