小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.04.19

進歩・進化

「し」、「進歩と進化」一緒に。

「進化」とは、ダーウィンの「種の起源」に代表される、生物が進化するメカニズムを説明する理論(進化論)として一般化した言葉ですから、
社会的、文化的な事項に用いる「進歩」とは、根本的に違うと思うのですが、
かなり混同されて使われている気がします。

ところで、
「社会は進歩しているが、人類ははたして進化しているのか?」
という疑問があります。

「社会は進歩している・・・」と一応書きましたが、
実はこれさえも、「あやしい」ですね。

数百万年に及ぶ人類の歴史を振り返ると、
確かに、私たちの日常生活は「便利・快適」になりました・・・・。

「じゃぁ、それ以外、他に何がある?」

「たとえば、安全になったとか?」

いやいや、確かに猛獣に襲われる危険は無くなったけれど、銃の所持が自由な国もあるし、無差別テロや核戦争、交通事故や環境汚染のことなどを考えると、
太古の昔より現代社会の方がずっと安全だとは、どうも言い難い・・・・。

・・と、色々考えているうちに、だんだん怖ろしくなって来ました。

「ひょっとして、人類の進歩って、生活が便利・快適になっただけ????」

「いやいや、そんなはずはない!」(そう思いたくない)

でも、逆に「やばい」ことは、次々に思い浮かんで来ます。

環境破壊の問題などに至っては、人類絶滅のカウントダウンが始まっているとさえ言われています。

確かに、文明は、社会は、政治は、経済は、教育は、医療は、科学技術は、
日進月歩で、「進んで」きました。

しかし、
不適当な方向に「進んで」きた、とは言えないでしょうか?

「進め」ば、どんな方向に進んでも、「進歩」というのでしょうか?

今後もその「方向」に間違いはないのでしょうか?

それを見極められたとき、
本当の意味で人類は「進化」した、と言えるのかもしれません。

小原啓渡

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