小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.04.24

チャンス

「ち」、「チャンス」で。

「チャンス」を英和辞典で調べてみると、
「機会・好機・見込み・公算・可能性」などが出てきますが、
なんと、最初に出てくるのは「偶然・運・めぐり合せ」でした。

確かに「偶然に」というのをイディオムで「BY CHANCE」と言いますし、
語源はラテン語の「偶然に落下すること」という意味から来ているらしいので、
一般化している「好機」といった意味より、「偶然」という意味に元来は近いようです。

「チャンスをつかむ」とか、「チャンスを逃さない」等という使い方をする場合も、ほとんどの人が「チャンス」を「好機」の意味で捉えていますよね。

ただ、僕が考える「チャンス」は、
「好機」というより「偶然」に近いような気がします。

「偶然をつかむ」「偶然を逃さない」というと、何となく、変な日本語のように思えますが、僕にはかなり本質的なことばに思えます。

つまり、「偶然」ということを、「単なる偶然」と捉えるか「意味ある偶然」と捉えるかという認識の違いだと思いますが、僕の考える「偶然」は明らかに後者です。

「偶然には、見えない大きな意味がある」

そう考えているので、「偶然」を軽いものとして流さない。
そこに何らかの意味、メッセージを読み取ろうとします。

僕にとっての「好機」(チャンス)とは、
この「偶然」を読み解いた先にある何か、だと思っています。

小原啓渡

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