小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.06.07
妥協
「た」、「妥協」で。
「妥協」には、大きく分けて二つのパターンがあると思います。
相手との関係性で生じる「妥協」と、自分の中だけで生じる「妥協」です。
ディベートや交渉において、「折り合いをつける」上での妥協は、相手の立場などを考え合わせると「協調」ということにもなりますから、ある意味でコミュニケーション能力の一つだと思います。
それに対して、自分の理想や目標に対する妥協は、基本的に個人的な問題で、これは「現実」と「折り合いをつける」ことだと言えるかもしれません。
ただ、ここで注意したいのは、「現実」は常に変化している、あるいは変化させることができる、という点です。
つまり、現時点では難しくても1年後なら可能かもしれないということもあるので、「妥協」イコール「諦め」ではないということです。
何かを達成するために、ある時点で「妥協」することが必要な場合も多々あると思います。
「諦めないために(終わらせないために)、妥協する」という選択が、僕の場合は今までに何度もありました。
そうした経験から僕が大切だと思うのは、
「妥協することを怖れるのではなく、諦めることを怖れるべきだ」という事です。
小原啓渡