小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.06.09

梅雨

「つ」、季節がら「梅雨」で。

「梅雨」だけあって、雨の日が多いですね。

雨音を聞いたり、雨の風景を見るのは好きですが、出歩くとなると厄介です。
なんで厄介なのかと考えると、傘を持たなきゃいけないからでしょうか。

つい先日、病院で検査を受けて外に出ると、かなり激しい雨が降っていました。
家を出た時には降っていなかったので傘がなく、どうしようと思った途端に、
「入っていきますか?」と初老の男性に声をかけていただきました。

駅までの10分程度、男同士の相合傘でしたが、話も弾み、とても素敵な時間でした。

「今日、出るとき雨が降ってなかったから、邪魔くさいなと思ったけど、傘を持ってきてよかったよ。雨が降ったからじゃなくて、人の役に立ったからね」

その男性は、さらっとそう言われました。

お互い、どこの誰かも知らない者同士が、気持ちよくコミュニケーションできることって、今の時代なかなか無いような気がします。

昔はきっとこんなことが、ごく普通にあったんだろうなと思うと、とても嬉しかっただけに、ちょっと湿っぽくもなった一日でした。

小原啓渡

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