小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.06.29
リノベーション
「り」、「リノベーション」で。
「リノベーション」とは、「ただ単に古い建物を新しい状態に戻すことではなく、建物に新たな付加価値を与える変更」の事ですから、ポイントは「新しい付加価値」、ということになります。
2003年に京都の西陣で、倒産したある会社の社員寮(3階建のビル)をアーティスト専用の宿泊施設に「リノベーション」し、今年の3月まで運営しました。(アーティスト・イン・レジデンス京都)
土地オーナーが、自宅をその場所に建てたいということで止む無く閉鎖しましたが、6年間に渡り国内外多くのアーティストの方々にご利用頂きました。
「AIR京都」の閉鎖話が持ち上がってきた今年のはじめ、大阪の名村造船所跡地で展開している「クリエイティブセンター大阪(CCO)」近くで、古い日本旅館が空いたという情報が入り、スタッフと共に見学に行きました。
京都の「AIR」も、最初はかなり傷んでいましたが、それに数倍輪をかけたくらい荒れた物件で、(長年営業をされておらず、年老いた女将さんが一人で住んでおられたようです)見学したスタッフのほぼ全員が、尻込みしたくらいでした。
ただ、「AIR京都」は「保養所」という登録でしたが、こちらは法的な「旅館業」を引き継げるということと、「CCO」の付属施設として有効であるという利点があり、最終的には、借り受けを決定して、すぐさま「リノベーション」に取り掛かりました。
といっても、「AIR京都」同様、資金がないため、リノベーション作業をするのは、基本的に当社のスタッフとボランティア、
何とかオーナーさんの協力も頂き、最低限の形が出来上がり、旅館業の手続きも終えて、この春「AIR大阪」をオープンすることができました。
女将は、東京からわざわざ当社に入るために大阪にやってきた変り種、まだ20代前半の女性スタッフですが、「AIR大阪」に住みこんで、日々意欲的にリノベーションと運営に取り組んでくれています。
彼女の奮闘をつづっている「AIR大阪ブログ」、新卒の若いスタッフでもここまでやれる、という意味でも、是非読んでみてください。(http://www.partita.tv/air/)
僕自身が「AIR京都」に住み込み、最初の管理人をやったので、彼女の苦労はよく分かります。
本当によく頑張ってくれていると思っています。
小原啓渡