小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.07.28
のらいぬ
「の」、「のらいぬ」で。
「谷内こうた」という作家の作品に「のらいぬ」という絵本があります。
「絵本」というと、どうしても子供向けというイメージが強く、本屋に行っても大人はほとんど絵本のコーナーには行きませんが、学生の時、たまたま立ち読みをしていて、この本に出会いました。
自分が持っていた絵本のイメージが、この本で変わりました。
登場人物は、主人公の「のらいぬ」と少年。
ほとんど言葉がなく、広がりと透明感のある絵、そして何より「読後の余韻」に、一つの形容詞では決して表現できない、輝きと深みがありました。
今までにこの絵本を、少なくとも10冊くらいは買っていますが、今は手元にありません。
つい何かの機会があると、人にプレゼントしてしまうからですが、どうやらもう絶版になっているようなので、古書でも探して一冊は手元に置いておきたいなと思っています。
小原啓渡