小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.08.06

名刺

「め」、「名刺」で。

「名刺」は、中国の唐の時代から伝わったと言われ、当時は竹木で作られていたということです。
「名紙」でないのが納得できますね。

仕事柄、色々なジャンルの方々と名刺交換する機会が多く、1週間で100枚入りのボックスが空になってしまうことも少なくありません。

そんな中でも、印象に残る「名刺」というのは意外に少ないですね。

「印象に残る」というのは、単に変わっているというのではなく、やはり「センスがいい」というのが僕の基準です。
最近ではグラフィックデザイナーの森本千絵さんの名刺が素敵でした。
大胆な構図(デザイン)の中に職人芸ともいえる細工があって、そのバランス感覚に一流の仕事をされているセンスの高さが伺えました。

過去にもらった名刺で印象に残っている人といえば、インテリアデザイナーの森田恭通さんやアーティストのやのべけんじさんですね。

そう考えてみると、各界で活躍されている一流の方々が多い。

もちろん、そうした方々の名刺はお金がかかっていそうなものがほとんどですから、名刺にお金をかけられるという経済的な部分もあるかもしれませんが、いくら名刺にお金をかけたところで、車を買うような出費になるわけでもないので、やはり、自己PRも含めた自己表現に対するこだわりが強いのだと思います。

最近、自分をいかに他の人と差別化して表現していくのかという「セルフブランディング」という言葉をよく耳にしますが、まさに「名刺」というのは、「セルフブランディング」にとって重要なアイテムであると思います。

そういった意味でも、「最低限の情報が入ってさえいればなんでもいい」といった考えは捨て、思い切ってお金をかけて、名刺にとことんこだわってみるのも大切かもしれませんね。

小原啓渡

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