小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.09.30

宿六

「や」、「宿六」で。

何となく面白い言葉だなと思って由来を調べてみると、以下の2節が見つかりました。

1?「宿六」とはもともと、「宿、すなわち自宅に六つのものを備えている者」という意味。六つのものとは、門、玄関、うだつ、欄干、床の間、倉のこと。これだけのものを自宅に持っているということは、江戸時代なら殿様にお目見えできる武士階級ということであり、転じて「世間的に認められた、りっぱな人物」ということ。

2?宿六とは「宿の碌(ろく:収入)でなし」の略で、『宿』は妻が夫のことを他人に言う際に使う俗称である(現代だと『あの人』『うちの人』など)。つまり、宿六とは仕事をしない甲斐性なしの夫など、ろくでなしな夫を妻が他人に罵る際に使う言葉である。

出展の信頼性からすると後者の説が有力ですが、僕は前者の方を支持したい。

後者だと「六」が「碌」のはずで、それなら「宿碌」でいいじゃないかと思えるし、何より女房が亭主を「内の宿六が・・」という時、そこには何となく愛があるような気がして、プラスの意味に捉えたいというのもあります。

後者の意味であっても、六つの欠点を持ったダメな夫という方がぴたりときます。

それでは、六つの欠点を考えてみましょう。

やはり、やめましょう。

少々心が痛い。

小原啓渡

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