小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.10.02
よい子
「よ」、「よい子」で。
今日はある行政関係の文化振興会議があり、その後いつものように二次会に流れました。
この会議の委員をしているメンバーがかなり変わっていて、みんな異様に熱い。
こういった会議は(他にもいくつか委員をしていますが)普通、形式的でクールに進められることが多いのですが、このメンバーだけは2時間の会議では収まらず、必ず二次会に流れて、断続的に話が続きます。
今日も大の大人が口角泡を飛ばしつつ、眼には涙を浮かべつつ、深夜まで激論を戦わせる状態になりました。
文化施策の本来あるべき姿や、それをめぐる方法論、具体的な提案やそれに対する反論・・・、個人的な話でもないのにみんな本気で意見を出し合います。
ふと、このメンバー、決して「よい子」ではないな、と思いました。
自分の信念と哲学に基づいて、思ったことをはっきりと言う。
主催者側の筋書きや、落とし所をひっくり返すようなことも言えば、委員の間でも意見に甘さがあれば容赦なく叩く。
波風を立てない「事なかれ主義」の人間が多い中、このメンバーは執拗に本質を突き詰めようとしています。
「よい子ちゃん」でないだけに風当たりも強い、それでも自分の仕事にプライドを持って真剣に取り組んでいる。
たとえ一握りであったとしても、こういう人間がいる限り、大阪はまだ大丈夫なのかもしれません。
小原啓渡