小原啓渡執筆集「諸行無常日記」

2008.10.05

料理

「り」、「料理」で。

「料理は得意です」と言えれば、今時のイケてる男性として合格なのでしょうが、残念ながら出来ません。

高校の時、学校のすぐ近くに下宿をして通っていました。
民家の離れの小さな一軒家で、共同の台所以外に部屋が3つあり、僕以外の二部屋には中学と養護学校の先生が2人住んでいました。
僕の部屋は2階に上がった階段の横、屋根裏部屋のような変形4畳半。

地方のさびれた町だったので、近くに食堂やレストランもなく(当時はコンビニもなかった)、必然的に食事は自炊をしなければなりませんでした。

時には3人で料理をしたり、誰かが作ったものを分け合ったりもしていましたが、僕は当時柔道部(過去に全国優勝もしていた)に所属していて、毎日かなり遅くまで練習があり、2人の先生方と帰宅時間が違っていたために、自分の分は自分で作らなければならないことが多かったわけです。

くたくたに疲れて帰って、それから食事を作るというのはかなりハードで、最初は結構楽しみながらやっていた料理が次第に苦痛になってきたのは仕方のないことかもしれません。

結局、カレーを大量に作っておいて冷凍し、毎日カレーというような毎日。

そんな生活が2年半ほど続き、ついに栄養失調(今の時代なら考えられないですね)で倒れて、3年生の半ばから、少し離れていましたが母方の祖母の家から約1時間自転車に乗って学校に通うようになりました。

おそらくこの経験がトラウマになっているのでしょう、「料理」に興味はありますが、その後自分では全く「料理」をしなくなり現在に至ります。

結構、味にはうるさい方だと思っているので、将来的にはトラウマを克服して、今度は「料理の達人」を目指したいと思います。

小原啓渡

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