小原啓渡執筆集「諸行無常日記」
2008.12.29
不況
「ふ」、「不況」で。
世界同時「不況」が進行しています。
実際、一経営者としても全く先の見えない時代に入ってきたことを感じます。
ほんの数か月前、2兆円を超える経営黒字を出していたトヨタが一挙赤字に転落した事実は、ものづくり国家として成長を続けてきた日本経済全体にとっても大きな衝撃でした。
ガルブレイスが1978年に書いた「不確実性の時代」が、ちょうど30年を経過した今、皮肉にも確実なものとなった気がします。
ガルブレイスは、それまで疑われることのなかった前提、すなわち物質生産の持続的増大が経済的・社会的健全性の証である、とする考えに対して疑問を投げかけ、最初の脱物質主義者の一人と考えられている経済学者です。
暗闇の中に置かれたとき、究極の選択肢は二つです.。
じっと動かず他力本願に任せるか(いつか夜が明ける、誰かが何とかしてくれる‥)、視覚に頼らずそれ以外の感覚、聴覚や臭覚や触角、あるいは勘を頼りに出口を模索するか・・・。
ただ問題なのは、その期間がどれほど続くか分からない状態で、じっと動かず夜が明けるまで耐えれるだけの体力を備えた企業は少ないということです。
まさに新しい時代の到来です。
不謹慎に聞こえるかもしれませんが、僕はこのエキサイティングな時代を歓迎し、果敢に挑んでみたいと思っています。
目に見えないもの、聞こえないものを信じて。
小原啓渡